経済用語から見る日本経済、GDP編
経済用語の中で最も良く目にする用語の一つがGDPではないかと思います。
このGDP、言葉としても、意味する内容についても、経済を知る上で非常に重要なのでじっくり見ていきましょう。
GDPがわかってくると、経済が格段に面白くなります。
最初に言葉の意味ですが、GDPは日本語で『国内総生産』と言います。
グロス・ドメスティック・プロダクトですね。
一定の期間に国内で生み出された付加価値の合計となります。
なんとなく理解できるところではないでしょうか。
ざっくり言うと、皆が働いた価値の総額、くらいに考えてもいいかもしれません。
一般的にニュースで耳にすることが多いのは、「実質GDPが前期比〇〇%増」とかでしょうか。
しかし、いきなり数字を追ってみてもあまり面白くない。
感覚的に掴める部分を拡げていきたいと思います。
そこで今回は、『GDP三面等価の原則』について触れてみます。
文字通り三つの視点から計ったGDPが、必ず一致するという原則になります。
その三面については、
となります。
それぞれについてどういう視点から捉えたGDPなのか見てみましょう。
支出面のGDPについて。
細目は、「民間最終消費支出」や「民間企業設備」、「政府最終消費支出」、「公的固定資本形成」などから成ります。
何に対してお金が使われたか、という見方ですね。
民間最終消費支出は、我々が普段のお買いもので使った分です。
公的固定資本形成は良く言う公共投資ですね。
そして民間企業設備を前期と比べて「企業の設備投資の伸びがうんたらかんたら」などとニュースキャスターが喋っているわけです。
わかりやすい視点ですね。
次は生産面のGDP。
細目は、「製造業」、「卸売・小売業」、「サービス業」などです。
実際に売買された商品・サービスがいくら作られたか、という見方になります。
全ての業種で売れた商品・サービスの合計額がGDPですよ、というのもこれまたわかりやすい視点です。
最後に分配面のGDP。
細目は、「雇用者報酬」、「営業余剰」、「固定資本減耗」などです。
モノやサービスを売って得たお金をどうしたか、という見方になります。
従業員にお給料として支払ったり、会社のお金として貯めたり、それら全ての売り上げの合計額がGDPですよ、という視点。
これも頷けます。
以上、三面から計ったGDPがかならず同額になりますよというのが『GDP三面等価の原則』です。
これがわかると何が面白いのか。
誰かが支出面で払ったお金は、誰かが分配面で必ず受け取っている、という事実です。
デフレ不況下で皆が消費を控えると、当然それが跳ね返ってお仕事でモノやサービスが売れなくなり、お給料が全体で下がっていく。
お給料が下がるのでまた買い控える。
この繰り返しですね。
ただ、ここで支出面を見ると、政府も支出できることに気付きます。
民間で減った分を超えて政府が支出を増やしていけば、全体でお給料が上がり、それは翻って全体の消費も増やし、さっきと逆のインフレ好況のループが生まれるのです。